ここは、宮城県女川町。リアス式海岸の美しい海を背に、内陸に向かって車を走らせていると、丘の上から思わず目を奪われる光景が広がります。
整然と並ぶカラフルな建物。2012年にオープンしたEl faro(エルファロ)という宿泊施設です。敷地内に、一歩足を踏み入れれば、その色とりどりの世界に胸が高鳴り、まるで海外の港町にいるような気分を味わえます。
大人も子どもも心躍るトレーラーハウス宿泊村
じつは、この鮮やかな建物はすべてトレーラーハウス。断熱性、居住性に富んだ国産のパークトレーラーを長野県から運んできました。その数は40台近く。客室は63室にものぼります。
さらに、このかわいらしい世界に彩りを加えているのが、各部屋の入り口に掛けられた女川スペインタイルのプレート。町内の工房により制作されたタイルはひとつひとつ模様が異なり、気分を一層盛り上げてくれます。
これがトレーラー!?ホテルのような快適な空間づくり
「部屋を開けた瞬間に『わあー!』と驚くお客様が多いんです。それは、私にとっては、もう“してやったり”という気分です」と目を細めるのは、当ホテルの支配人を勤める田中雄一朗さん。
カラフルな外見ばかりに目がいってしまいがちですが、エルファロのこだわりは内部にこそあります。「狭くて、簡易」というトレーラーハウスのイメージをよい意味で覆しています。
大きめの窓から差し込む日光で照らされた明るい客室。ピシッとそろったベッドメイキングからは、丹念に掃除していることが伝わってきます。
ゆったりとくつろげるソファに、木製のデスク、空調ファン、秘密基地のようなロフト付きの部屋も。トレーラーハウスと気付かずにひと晩過ごしたお客様もいることにも納得です。
旅館のホスピタリティとホテルの快適性を両立
女川町にあった4つの旅館の経営者による組合で運営されるエルファロ。そこに、県内の大手ホテルで勤務していた田中さんが支配人として加わることで、「民宿的な温かみ、居心地のよさと、ホテルのような快適性」を併せ持つ宿泊施設が誕生しました。
「お客様に応じて、スタッフの対応も変えています。ビジネスユーズのお客様にはなるべく快適にスムーズにご案内できるように、常連さんやご近所さんにはあえて方言を使ったり、旅行者には近隣のご案内をしています」
ビジネス出張から、友人やご家族、カップルまで幅広いお客さんで賑わう当宿泊施設。スタッフの臨機応変の対応こそが、その秘訣です。
三陸旅行の拠点にうってつけ
ここ女川は、南三陸金華山国定公園に指定される自然の宝庫。昼間はコバルトブルーの美しい海のアクティビティに、海の幸、豊かな動植物などに触れることもできます。
さらに、「夜、ライトが落とされた後に、一面に広がる満天の星空。それが私の一番のお気に入りですかね」(田中さん)
石巻や南三陸、気仙沼など三陸の人気スポットにも中間地点に位置する女川町。大人も童心に還って楽しめる宿、エルファロを拠点に三陸の旅を満喫してみませんか?
●ご予約・お問い合わせ
女川町宿泊村協同組合 El Faro(エル ファロ)
宮城県牡鹿郡女川町清水町174,175,176,177,178
【電話】0225-98-8703(受付時間:9~22時)
【メール】elfaro365info@gmail.com
※詳しくは、下記ウェブサイトでご確認ください。
El Faro(エル ファロ) http://elfaro365.com/
(書き手・写真:浅野拓也 取材協力:El Faro)
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