ゴールデンウイークの青空の下、まばゆく咲き誇る菜の花を目にした人も多いのではないだろうか。
日本郵船(株)の社員が昨年秋に種まきをした、釜石市の(一社)ユナイテッドグリーンの菜の花畑でも、冬を越した菜の花がゴールデンウイークの時期に満開となった。
日本郵船の社員が昨年釜石・大槌を訪れたのは去年の夏から秋、新人研修と社員ボランティアの計4回。研修プログラムを通して被災地に人を呼ぶことを考えていた岩手県北バスとも相談し、岩手県大槌町にある(一社)おらが大槌夢広場による大槌町視察、NPO法人吉里吉里国が主催する復活の森プロジェクトの薪割り作業と、釜石市のユナイテッドグリーンの菜の花畑*1での農地整備や種まきなどを行った。今年咲いた花が種になり油ができるのは年末頃の見込み。
新人研修は7月上旬と下旬の2班に分かれ、38名の新入社員が参加した。
5日間の研修では、現地語り部ガイドによる大槌町視察、ボランティア活動(菜種刈り、脱穀、農地整備、間伐作業など)、被災地の課題をテーマにしたワークショップに取り組んだ。
締めくくりとなるワークショップでは「クロスロード」という、防災研修やリーダー研修に用いられる手法での真剣な議論がおこなわれた。これは、「自分が消防団員でどちらか一方しか助けられない場合に、どちらを先に救助するか」といった、実際の災害現場で起こる「ジレンマ」にグループで取り組み、自分の意見を表明し、議論、決断することを通して、災害に備えるとともに、コミュニケーション力やリーダーシップ力を養うことを狙いとする。
日本郵船の人事グループで今回の研修を企画した小高氏は「ワークショップでは、自分たちが当事者として議論することを強く求められる。5日間の研修で現地を訪問し、被災した方々の話や復興に取り組む想いを直に聞くことで、机上の研修では得られない真剣味をもってみんなが取り組むことができる。新入社員だけでなく、中堅社員にとっても意味のあるプログラムだと思う」と語る。
日本郵船では、震災のあった平成23年の瓦礫撤去のボランティアに始まり、平成25年からは現地のニーズや復興の状況に合わせた形でのボランティア活動を継続している。
*1 平成27年8月に日本郵船は岩手県釜石市を拠点に菜の花大地復興プロジェクトに取り組むユナイテッドグリーンと三陸産菜種油「油いっこ(ゆいっこ)」のオーナー契約を締結し、菜の花畑の一定区間のオーナーとなっている。
http://www.nyk.com/release/3560/004019.html
日本郵船による震災への取組について:
http://www.nyk.com/csr/social/action/disaster/index.html
記事提供:復興支援ポータルサイト「いわて三陸 復興のかけ橋」
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