県立久慈東高校の高校生4名が「私たちのふるさと’東北’をもっと知ってもらおう!」というテーマで、地域の特産品を選び、東京のマルシェで販売するというプログラム「東北ふるさと市場プログラム」に取り組んでいる。
このプログラムは、東京に本社を置く化粧品会社である株式会社アルビオンが復興支援の取組として、高校生たちに「ふるさと」をもっと好きになってもらうこと、これまでの体験を外部に発信する機会作りを行うことを目的に企画した。2回目となる今年は、岩手、宮城、福島の3県から合計15名の高校生を東京に招待、アルビオン社員とともに、東京・丸の内で販売会を行う。
この企画の特徴は、単なる販売イベントのサポートではなく、「アルビオンのモノづくり、販売」のノウハウを生かし、商品の選定から販売に至る過程で、高校生にマーケティングの基礎知識を身につけてもらい、接客や経理といった部分も含めて、実践を通して学んでもらうという点。
岩手県からの参加高校生と事前の講座運営や引率などをサポートする地元の団体を探していたアルビオンに、「いわて三陸 復興のかけ橋」プロジェクトが久慈市で活動するNPO法人やませデザイン会議とのマッチングを行い、今回の企画がスタートした。
7月9日には販売の準備として、商品を売るためのマーケティングについての勉強会が行われた。
売り上げのポイントとなるキャッチコピーの作成に先立って、化粧品のマーケティングを担当している社員らが、食品や文庫本、化粧品など、さまざまな商品を例にあげ、実際に手に取りながらマーケティングの基本を高校生にも身近でわかりやすく解説。
東京に行ったことのない高校生もいるため、イメージを具体的につかんでもらえるよう、販売場所である「東京丸の内」にはどんな人がいるのか、当日の売り場のイメージはどうか、前回はどんなものが売れたのか、といった情報を写真入りで紹介するなどの工夫に加え、商品を見てから実際に購入するまでの顧客の心の移り変わりを説明。人間の行動や態度からそれらを読み取る秘訣も織り込むなど、臨場感あふれる内容に、最初は緊張していた高校生も、うなずきながら熱心に聞き入り、イメージを膨らませていた。
講義の後は、高校生が実際に自分たちで選んだ商品を前に、価格や内容、産地、味や食感などを確認しながら販売目標を設定、キャッチコピーを作成した。
高校生たちが考えたキャッチコピーに、プロのアドバイスが入ることで、さらに魅力あるものに仕上がっていくことに、参加した高校生は「言葉の選び方が難しい」と言いながらも、マーケティングのおもしろさに引き込まれた様子。引率した久慈東高校の久保田教諭も「丁寧に指導していただき、非常に勉強になる」と語った。
販売会での完売を目標に、今回のキャッチコピーに加え、商品のパッケージや周りの商品との組合せ、陳列方法もあわせて検討しながら東京での販売会に備える。
東北ふるさと市場
日時:平成28年7月29日(金)11:30〜19:30
場所:丸の内 行幸地下通路(行幸地下ギャラリー) 行幸マルシェ×青空市場内
記事提供:復興支援ポータルサイト「いわて三陸 復興のかけ橋」
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