「新しい東北」先導モデル事業「東北ラーニングコミュニティ」始動!復興現場の知見を日本全国へ

当日オブザーブ参加したBFF伴場代表(左奥)は「各地域で何かしらの課題がある。福島だからできないというのは言い訳」と呼びかけた。

当日オブザーブ参加したBFF伴場代表(左奥)は「各地域で何かしらの課題がある。福島だからできないというのは言い訳」と呼びかけた。

2月16日、復興庁が推進する「新しい東北」先導モデル事業にも採用された、NPO法人ETIC.らによる「東北ラーニングコミュニティ」初回セッションが東京渋谷区で行われた。これはこの3年間、東北各地で行われてきた復興の取り組みを、東北に限らず日本全国の地域の課題解決へと活用するための新しい学びの場。復興現場の取り組みを「ケース」として教材化し、ケースを元にしたディスカッションを中心に進めるものだ。

初回となった今回は、福島県でコミュニティビジネスの中間支援等を行っている一般社団法人Bridge for Fukushima(以下BFF)をケースとして行われた。東北復興の活動をしている人に限らず、将来的に地元地域へのUターンを考えている人など2〜30代のビジネスマンを中心に20名が参加。福島の現状やBFFの今までの取り組みを事前にケースで読み込んだ上で、「自らがBFFの一員となったらどのような課題に、なぜ取り組むのか」「取り組む事業の内容を具体的に提案せよ」といった課題に活発な議論が交わされた。

ETIC.とともにこのプログラムの開発や当日のファシリテーションを担当した株式会社ラーニング・イニシアティブ代表の北島氏は「ビジネスと違い、地域課題の解決には明確なフレームワークが存在しない。復興現場のケースを元にそのプロセスと学びを可視化する価値は高い」と話す。初回となる今回は「課題の設定」をテーマとしたセッションとなったが、今後は別のケース、別のテーマを設定して継続的に実施していく。

次回のセッションは3月8日。宮城県名取市で進められている農業の6次産業化プロジェクト「ロクファームアタラタ」がケースとなる。各地の復興現場で培われた知見が形式化され、日本全国の地域を活性化させるイノベーター育成に活用される。今後も是非注目したい。