2013年度が終了するにあたり、復興政策の1つの目玉であった「新しい東北」関連事業においても具体的成果が見えてきた。被災地域への人材供給を目指す「WORK FOR 東北」では民間企業から4名の社員の東北への派遣が決定し、先進的な取り組みを資金面で支援する「先導モデル事業」は、中間評価を経て14年度の公募が始まった。
復興庁の進める「新しい東北」は、復興の過程で、人口減少や高齢化など他の地域も抱える課題を解決する地域モデルを東北から創り出そうという取り組み。資金、人材、ノウハウ、情報連携の各方面からその実現を支援するための事業が進められてきた。
被災地域への人材派遣促進を目指す「WORK FOR 東北」は、3月にTOTO株式会社および株式会社リクルートライフスタイルから計4名の企業人材の被災地域への派遣を発表。復興現場での就業を希望する個人向けにはイベントを開催するなどし、10名の個人派遣も決定している。
全国から東北の振興を進めるビジネスを募集した「リバイブジャパンカップ」。事業ノウハウの提供や投資促進を目的として行われたビジネスプランコンテンストで、1月に7つの事業が入選案件に選定された。今後も継続して販路開拓等の経営支援を行う。
復興に関わる企業や大学、NPOなどの連携を推進する「官民連携推進協議会」には、680を超える会員企業・団体が加盟。会員の活動などの情報をウェブに集約しつつ、3月には仙台で交流会も行った。
進化が期待される「先導モデル事業」
東北で生まれつつある、全国のモデルになりうる先進的な事業を支援した「先導モデル事業」。今年度は9億円の予算があてられ、で66事業が選定された。応募は440もあり、大きな話題となった。12月には各事業主体から中間報告が行われる中、現在その評価が進められている。1月の復興推進委員会では、66のうち15件が集中した一次産業の取り組みを対象に考察。今後へ向けて、より地域やテーマ、業態を越えた連携をした、産業構造を変革するような取り組みへの期待も示された。
14年度の「新しい東北」には13年度の2倍近い16億円の予算が計上されており、3月20日には「先導モデル事業」(予算15億円)の募集も開始した。復興予算のほとんどが復旧を中心としたハード施策に使用される中で貴重なソフト施策への財源であり、また今年度までに活動を支え連携を促すプラットフォームも整備されており、進化した事業の誕生に期待も高い。公募は4月18日まで。
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