福島県は4月28日、避難者調査の結果を公表した。
調査対象は同県からの避難者 62,812世帯で、うち35%にあたる20,680世帯からの回答があった。
調査結果のポイントは次の通り。
1.避難状況
(1) 半数近くの世帯(48.9%)が2カ所以上に分散して生活している。
(2) 4分の3以上の世帯(77.4%)が、避難先へ住民票を移していない。
2.住まいの状況
(1) 避難者の約7割(69.0%)が仮設・借上住宅等に居住している。
(2) 住居に対する要望は、仮設・借上住宅等の入居期間の延長(40.4%)、住み替えの
柔軟な対応(26.2%)となっている。
3.健康や生活などの状況
(1) 避難してから心身の不調を訴えている同居家族がいる世帯は 67.5%となっている。
(2) 現在の生活での不安や困っていることは、「住まいのこと」(63.4%)、「自分や家
族の身体の健康のこと」(63.2%)、「自分や家族の心の健康のこと」(47.8%)、
「生活資金のこと」(45.4%)、「放射線の影響のこと」(43.9%)の順となっている。
4.情報提供
(1) 避難元情報の入手手段は、「避難元自治体(県・市町村)からの郵送物・配送物」
(83.1%)、「テレビ」(61.5%)、「地元新聞を買って」(43.5%)、「友人・知人」
(35.3%)の順となっている。
(2) 行政からの希望する情報は、「東京電力の賠償に関する情報」(67.7%)、「福島県・
避難元市町村の復興状況」(56.7%)、「除染に関する情報(50.7%)」、「放射線に関す
る情報」(49.5%)の順となっている。
5.今後の意向(※復興庁等が避難指示区域を対象に実施した市町村を除く。)
(1) 福島県内に避難中の世帯の今後の生活予定は、「被災当時の居住地と同じ市町村に
戻りたい」(40.4%)、「現在の県内の避難先市町村に定住したい」(17.5%)となって
いる。
(2) 県外に避難中の世帯は、「現時点で決まっていない」(36.0%)、「現在の県外の避難
先市町村に定住したい」(26.4%)、「被災当時の県内市町村に戻りたい」(17.5%)の
順となっている。
(3) 被災当時と同じ市町村に戻る条件は、「放射線の影響や不安が少なくなる」(40.9%)、
「原子力発電所事故の今後について不安がなくなる」(31.7%)、「地域の除染が終了す
る」(27.3%)、「避難元の地域が元の姿に戻る」(22.8%)、「復興公営住宅への入居が
決まる」(21.0%)の順となっている。
(4) 帰還や生活再建に向けて必要な支援としては、「生活資金に関する支援」(38.5%)、
「東京電力の損害賠償に関する情報提供」(37.4%)、「避難先での生活支援」(30.9%)、
「放射線に対する正しい知識の提供」(30.5%)の順となっている。