岩手県は4月28日、平成26年「岩手県の東日本大震災津波からの復興に関する意識調査」結果(速報)について公表した。
平成23年度から平成31年度(復興計画の計画期間終了後の翌年度)までの毎年度、復興に関する各施策の重要度や進捗認識を調査するもの。平成26年の調査期間は1月27日から平成26年2月25日、回収率は68.9%(3,446人/5,000人)だった。
結果の概要は次の通り。
1 生活全般の満足度について
(1)今の生活全般の満足度
県全域
「満足できる状態にある」「やや満足できる状態にある」の合計:39.2%
「やや不満な状態にある」「不満な状態にある」の合計:27.1%
前回調査と比較すると、「満足できる状態にある」「やや満足できる状態にある」の合計は、3.8ポイント増加し、「やや不満な状態にある」「不満な状態にある」の合計は5.6ポイント減少している。
沿岸部
「満足できる状態にある」「やや満足できる状態にある」の合計:30.3%
「やや不満な状態にある」「不満な状態にある」の合計:33.7%
前回調査と比較すると、「満足できる状態にある」「やや満足できる状態にある」の合計は、5.3ポイント増加し、「やや不満な状態にある」「不満な状態にある」の合計は7.1ポイント減少している。
(2)今の生活の満足度(1年前との比較)
県全域
「変化はない」の割合(64.5%)が最も多い。
前回調査と比較すると、「どちらかといえば悪い方向に変化した」「悪い方向に変化した」の合計(22.1%)は、3.6ポイント減少している。
沿岸部
「変化はない」の割合(57.8%)が最もも多い。
前回調査と比較すると、「どちらかといえば悪い方向に変化した」「悪い方向に変化した」の合計(23.5%)は、5.5ポイント減少している。
2 全般的な復旧・復興の実感などについて
(1)岩手県全体の復旧・復興の実感
県全域
「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計:60.7%
前回調査と比較すると、「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計は11.5ポイント減少している。
沿岸部
「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計:59.0%
前回調査と比較すると、「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計は6.0ポイント減少している。
(2)お住まいの市町村の復旧・復興の実感
県全域
「進んでいると感じる」「やや進んでいると感じる」の合計:20.2%
「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計:25.2%
前回調査と比較すると、「進んでいると感じる」「やや進んでいると感じる」の合計は、3.1ポイント増加し、「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計は5.2ポイント減少している。
沿岸部
「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計:51.6%
前回調査と比較すると、「やや遅れていると感じる」「遅れていると感じる」の合計は5.9ポイント減少している。
(3)現在の生活への震災の影響
県全域
「影響を受けていない」「あまり影響を受けていない」の合計:50.9%
前回調査と比較すると、「影響を受けていない」「あまり影響を受けていない」の合計は、3.4ポイント増加している。
沿岸部
「やや影響を受けている」「影響を受けている」の合計:49.2%
前回調査と比較すると、「やや影響を受けている」「影響を受けている」の合計は、5.7ポイント減少している。
3 施策別の復旧・復興の実感などについて(具体的な取組29項目)
(1)重要度が高い項目
県全域
1 医療機関等の機能回復
2 学校施設等の復旧・整備
3 再就職に向けた取組
地域別に見ると、沿岸北部では、「医療施設等の機能回復」、沿岸南部では、「道路網の整備」の重要度が最も高い。
(2)進捗への実感が低い項目
県全域
29 住宅や宅地の供給
28 放射能への安全対策
27 再就職に向けた取組
地域別に見ると、沿岸北部では「放射能への安全対策」、沿岸南部では「住宅や宅地の供給」の進捗への実感が最も低い。
(3)復興促進ニーズ度が高い項目
「復興促進ニーズ度」=「重要度」-「進捗への実感」
(重要度が高く、進捗への実感が低いと、復興を急ぐニーズが高いと解される。)
県全域
1 住宅や宅地の供給
2 放射能への安全対策
3 再就職に向けた取組
地域別に見ると、沿岸北部では「放射能への安全対策」、沿岸南部では「住宅や宅地の供給」の復興促進ニーズ度が高い。
4 復旧・復興に向けた優先施策について
県全域
1 防災都市・地域づくり
2 生活の安定と住環境の再建等への支援
3 保健・医療・福祉提供体制の整備
地域別に見ても、ほぼ同様の傾向となっている。