4月1日に田村市東部で初の避難指示解除
原発事故による避難指示区域のうち、除染が進み放射線量の低下が確実と見られ、インフラ等生活環境の整備が進む「避難指示解除準備区域」について、少しずつ避難指示解除が進んでいる。
今年4月1日、福島県田村市東部の都路地区で初の避難指示解除となった。隣の川内村は、事故直後は全村避難となったものの2012年1月に帰村宣言。町の一部が現在も避難指示に指定されているが、政府は今年7月末の解除の見込みを示した。町のほぼ全域が避難区域となっているその隣の楢葉町は、5月末に2015年春の避難指示解除を目指す事を発表した。
環境整備と合意形成が課題
避難指示解除の動きが進む一方、住民帰還は簡単には進まない。田村市都路地区の帰還は5月23日時点で23%に留まり、帰村宣言から2年半が経過した川内村でも帰還したのは約半数。同じく避難指示解除から2年以上が経過した広野町でも帰還率は3割に満たない。また、川内村や楢葉町で発表された避難指示解除の予定についても、住民から反対や慎重な声もあがっている。
帰還に向けては、放射線量の不安払拭だけでなく、教育や医療帰還、スーパーなどの商業施設などを含む生活インフラ・サービスの整備もかかせない。不安や課題を一つひとつ解決しながら、住民への説明や対話を丁寧に行うことが求められ、政府や各市町村のリーダーシップが試されている。
Tweet