サンタが町にやってくる! 岩手・おおふなと・大作戦[笑顔の架け橋Rainbowプロジェクト]

01サンマチ実行委員会
大船渡市にない冬の風物詩を地元のちからで作り出そうと「サンタが町にやってくる!」通称「サンマチ」が企画されました。
地元の人たちを中心に県内外から100人を超えるサンタクロースが参加し、子どもたちに笑顔を届けるための地元発信イベントです。

 

 


基盤も予算もないゼロからのスタート

クリスマスデコレーションされたメイン会場のカメリアホール

クリスマスデコレーションされたメイン会場のカメリアホール

震災直後の2011年よりNPO団体が主催している「被災地の子どもたちにクリスマスプレゼントを贈るイベント」は子どもたちにとても喜んでもらえています。
しかし「あくまでも外部の人たちの手によって開催されているイベント。自分たちで立ち上がってほしい。地元の人たちが中心となって作ってほしい」という思いから、森さんが発起人となり2013年5月より動きはじめたそうです。
竹野さんがイベントに参加するきっかけとなったのは森さんが竹野さんのお店(タケノ文具)へ買物に来た際に「サンタの打ち合わせがあるので竹野さんも来てください」と声をかけられ、「会議に参加するうちに本気でやろうと思った」といいます。
今までのNPO団体から切り離して動き出したため、基盤も予算もない状態からのスタートとなり思っている以上に大変な企画だったようです。
「地元発信のイベントなので地元の人たちに認められなければならない。主役となる子どもたちに笑顔を届けたい。イベントを通して地域活性化につながってほしい」と竹野さんは話してくれました。
大船渡市のイベントとして春は「碁石観光まつり」夏は「大船渡夏まつり」秋は「大船渡さんままつり」と季節ごとに大きなイベントがありますが、冬の風物詩として定着できるようにと意気込みを語ってくれました。

100人をこえるサンタクロース

多くの参加者を取りまとめる竹野さん

多くの参加者を取りまとめる竹野さん

12月22日午前9時、大船渡市の気温は3℃と少し肌寒いなか、サンタクロースやトナカイの衣装に身を包んだ100人以上の方々が自分の担当を確認しながら10時開始に向けて着々と準備を進めていました。
10時の開始とともにメイン会場となったカメリアホールには多くの親子連れで賑わい、ダンスや紙芝居、人形作りなどのイベントを子どもたちは思い思いに楽しんでいたようです。
街をねり歩く「サンタウォーク」のイベントでは、数人のグループにわかれたサンタクロースが会場へ来れなかった子どもたちにプレゼントを贈ろうと各地区へ向かいます。その姿を見た子どもたちが手を振って見送る姿が微笑ましい光景でした。
富山県から参加した女性の方は「2年前にボランティアにはじめて来たのが大船渡なので、イベントがあるごとに大船渡にきている」とかわいらしいサンタの衣装で話してくれました。
来場客数は2,000人を超える大盛況となった「サンタが町にやってくる! 岩手・おおふなと・大作戦」を振り返り、参加したサンタクロースの方々へ「大船渡はいわゆる瓦礫は片付きましたけど復興はまだまだです。これからいろんなものを作っていかなければいけない。また来ていただいて来年の大船渡はどういう風になっているかをその目で確認して頂ければと思います。みなさんが来ていただかなければ成立しなかったイベントでしたので本当に感謝しています。ありがとうございました。」と森さんは、今後の期待と感謝の気持ちを伝えるとサンタクロースから大きな拍手が返ってきていました。
子どもたちもサンタクロースも笑顔に包まれたイベントとなったようです。

次の世代を見据えてのイベントづくり

発起人であり実行委員会代表の森さん

発起人であり実行委員会代表の森さん

子供に人気のゆるキャラ「おおふなトン」も参加

子供に人気のゆるキャラ「おおふなトン」も参加

参加したサンタクロースからは「普段サンタの格好で町を歩くことがないので楽しい。歩きながらプレゼントを配ると、いろんなところから手を振ってもらえる。普段では経験できないことができて凄く楽しかった」と参加者ならではの楽しさもあったようです。
そんな参加者を「ボランティア」とは呼ばないそうです。「純粋に大船渡でサンタクロースになりたいと思った人たちがきてくれているのでボランティアではないですよね」と竹野さんはいいます。
未来の大船渡を支える子どもたちの笑顔のために、たくさんのサンタクロースが全国各地から集まってくれていると思うと嬉しさがこみあげてきます。
外部からの参加者が集まらないと形にならないイベントですが「外部だけに頼るのではなく地元を中心に参加してもらう。若い人たちに運営に携わってもらい、自分たちのアイデアでイベントをつくり、楽しんでもらいたい。特に中高生にとってよい経験となるはず」と次の世代を見据えてのイベントづくりを目指しながら地域や子どもたちのために奮闘している竹野さんをみていると地元を愛する気持ちがひしひしと伝わってきました。



サンタウォーク出発前のミーティング風景

サンタウォーク出発前のミーティング風景

サンマチ実行委員会
代表:森 大樹 高知県奈半利町出身・大船渡市立根町在住
竹野 美貴子 大船渡市大船渡町出身・在住

記事提供:NTTdocomo「笑顔の架け橋Rainbowプロジェクト」