昔からの仕事仲間に近況を聞かれ、ＮＰＯで東北復興新聞っていう新聞作ってます、と答えるとほとんどの方にキョトンとされる。確かにあまり良い人相はしていないし、これまでの経歴からもおおよそＮＰＯという言葉は似つかわしくない。驚かれるのはしょうがないが、疑いの目で見るのは勘弁して欲しい。

　ドラッカーは『ネクスト・ソサエティ』で、これからの問題は経済ではなく社会だと論じた。経済が社会を変えるのではなく、社会が経済を変えていくと。10年前、まだ駆け出しの若造にとって、心底感銘は受けるものの、目の前の課題をやっつけるのが精一杯で、社会やＮＰＯなんてものは自分の生活とまるで関係のない存在だった。

　10年が経ち、オジサンになったいま、社会との付き合いは自身の問題で、どう関わるかで明日の生き方が左右されるようになった。日常的に、色んな接点で、社会と関わりを持っている。儲かる、儲からないでは説明できない。私も変わったかもしれないが、社会が確かに変化したのだと思う。

　ＮＰＯだからといって色眼鏡で見ないで欲しい。復興新聞を作ったら聖人になるわけじゃない。焼肉ラブ、日本酒カモン！である。ほんの少し、前ほど贅沢を求めなくなった程度。いつでもお誘いいただきたい。（Ｔ）