南三陸の思いをつなぐ帽子　みなみな屋

　大漁旗ハンチングは、すべて「ＭＡＤＥ ＩＮ南三陸」。本物の大漁旗を町の帽子メーカーが縫製し、観光協会公式ショップ『みなみな屋』が販売している。今までに約１００枚の大漁旗から２００個近くが製造された。

　震災で約８割の船が被害にあった。船がないと大漁旗は飾れない。でも、どうしても捨てることはできない。多くの漁師さんが洗って大切に保管していると聞いた『みなみな屋』店長の菅原さんは、思いが詰まった旗を何かに生まれ変わらせる方法がないか考えていた。そんな折、町に唯一の帽子メーカーがあることを知った。帽子にして、多くの人にかぶってもらおう、大漁旗の柄を活かせるハンチングがいいと話がまとまり、製造が始まった。

　新しく船を造った際に友人や知人から贈られ、進水式に誇らしく飾られる大漁旗。「購入した人には、いつの日か南三陸町に来てほしい」と菅原さんは語る。

■大漁旗ハンチング　大人用・子供用ともに６７００円（そのうち一部は漁協に寄付）※売切れの場合あり／南三陸町観光協会公式みなみな屋　mshop@m-kankou.jp

取材・文／谷口悠佑子