【Leaders Interview】(特非)フローレンス駒崎代表理事

インタビュー先:駒崎弘樹さん
NPO法人 フローレンス代表理事

Q・福島での活動は?

NPO法人  フローレンス代表理事 駒崎弘樹さん

NPO法人 フローレンス代表理事 駒崎弘樹さん

妻が福島出身ということもあり、震災直後から「子供たちが外で遊べない」という話をよく耳にした。子供にとって「遊び」は「学び」であり、心を作ることだと、病児保育を通して実感していることもあり、すぐに動き出した。室内で遊べる「ふくしまインドアパーク」が完成し、今では2名を雇用している。通常はまずビジネスプランありきで事業を立ち上げるが、今回は緊急性が高く、まず立ち上げることを優先した。今後は助成金に頼らないビジネスに成長させていく必要がある。継続して雇用を生み続けることが大事なのだから。

Q・東北復興に必要なものは?

震災前の東北に戻ることが、真の復興とは言えない。東北に新たな産業や価値が生まれることが重要だろう。外部から工場を誘致して、雇用をうみ、地域活性をしてきた従来のやり方だけではなく、もっと知識サービス産業を軸とした「内発的なイノベーション」が必要だ。これは「日本の新生」とも繋がってくる。

そこで「東北の復興=日本の新生」の鍵を握るのが、小さなイノベーションを起こしていくベンチャーやNPOだ。まずは、挑戦したい人が現れやすい環境、コミュニティを作っていくこと。志を持った同士で集い、思いを温め、背中を押したり、頑張っている人には拍手を送る。そんな、ゆるやかな、あらゆるプロジェクトが絡み合うような生態系を生み出すことが第一歩となる。

Q・福島の復興ビジョンとは?

今の風評被害を乗り越え、産業的に生まれ変わり、経済的なリカバリを果たすことが求められる。そのために、まずは、僕のように福島出身ではないけれど、福島に関係し、愛郷心と志ある人たちをどんどん集める。そうした人々も含めた福島の人間が、次々とイノベーションを起こしていく。たとえば、農業県という特性を生かすにも、より知識産業に近い、新しい形をうみ出していく。福島の資源、環境を生かした、新たな農業、工業の形が、たくさん生まれてくれば、これまでになかった広い意味でのイノベーションが必ず起こる。そういった段階を経て、何十年か先、福島に本当にいい町が生まれていたらどうだろう。福島の復興は、世界中に大きなインパクトを与えるのではないだろうか。

取材・文/坂本 真理

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です