Pick Up! NPO 地元に子供たちの居場所をつくる継続した心のケアを重視

にじいろクレヨン

団体概要:宮城県石巻市を中心に震災によって受けた心の傷や、特異な生活環境によって生じるストレスを、様々な遊びの活動を通してケアしている。
URL:http://nijiiro-kureyon.jp/


体当たりで子供と向き合う柴田さん

体当たりで子供と向き合う柴田さん

「ただ遊ぶだけじゃない、これは子供たちの居場所づくり事業なんです。震災で家族、友達……つながりが切れてしまった彼らにたくましく生きて欲しい」と代表の柴田滋紀さんは思いを語る。遊びを通して子供たちに寄り添い、信頼関係を築き、そこに確かなつながりをつくることを大切にしている。

にじいろクレヨンは画家として活動する柴田さん自身が被災し生活していた避難所から始まり、現在は石巻市を拠点に一週間で8カ所の仮設住宅を巡回。現在まで活動に参加した子供はのべ1万人。今は絵本の読み聞かせ、鬼ごっこなど文化的・身体的遊びによるケア中心の活動だが、今後は発想力を鍛える音楽や絵画など育みの活動にも力を入れていくという。「にじいろクレヨンが来る日は、『早く集会所開けて!』と子供たちが来るんですよ」と仮設住宅団地集会所の管理人さんが嬉しそうに教えてくれた。

子供だけでなく保護者も一緒に遊ぶ姿も

子供だけでなく保護者も一緒に遊ぶ姿も

柴田さんは石巻市で育ち市内3カ所での絵画教室、実家で営む剣道場での指導など、震災前から地元の子供たちを見てきた。しかし、始めから使命感があったわけではないという。「外の団体が活動を止めていくのを目の当たりにして、地元に残ってやるのは自分しかいないと思った。たとえ一人になっても10年は活動する」と決意を明かす。

子供たちの辛い、悲しいといった体験がいつか石巻復興のエネルギーになることを願い、活動を続けている。

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