内閣府「地域社会雇用創造事業」実施団体決定 600人の起業家に上限300万円を支援

復興支援型地域社会雇用創造事業選定事業者と事業規模(目標数)内閣府は「復興支援型地域社会雇用創造事業」の事業実施団体を公表した。本事業は、被災地における社会的企業の起業を支援する「インキュベーション事業」と、社会的企業分野の人材創出に取り組む「社会的企業人材創出・インターンシップ事業」で構成され、内閣府は今回指定した12団体へ事業を委託する。インキュベーション事業では、選定された事業実施団体が被災地で社会的事業を募集しコンペを実施、採択した事業者に300万円を上限にヒト・モノ・カネの支援を行う。その業種には制限を設けておらず、被災企業が新規事業や新商品開発を行う場合も対象になるため、企業再建に利用することもできる。また被災地での起業であれば被災者でなくても応募できるため、間口も極めて広く、柔軟性の高い事業だ。2013年3月までの約1年間で600人の起業を目指す。

「社会的企業人材創出・インターンシップ事業」は、おおむね180時間のインターンシップを通じて、被災地等で社会的企業を担う人材を育成するもの。指定された事業実施団体が、それぞれNPOや企業へのインターンプログラムを提供するとともに、一定の要件を満たす研修生には月10万円の活動支援が行われる。再建中の企業の従業員も受講できるため、被災企業への経営ノウハウの移転も期待される。2013年3月までに2000人の人材育成を目指す。

起業を支えるプラットフォーム構築を視野に

今回の事業実施団体は、過去の実績に加え継続的な支援インフラの有無を加味して選考された。本事業により創出された事業が次年度以降も継続し、雇用が守られることが重要となるため。「本事業の結果として、起業家を支えるメンターネットワークや、資金、情報、ノウハウが有機的につながるプラットフォームが東北に生まれることを期待したい」。そう話すのは、内閣府で同事業を担当する迫田章平氏。

今後の課題は現地への広報だ。本事業は自治体やNPO等を通じて広報される予定だが、より多くの起業を志す人材にリーチし、アクションを誘発していく必要がある。内閣府では実施事業者とともに現地で行われる民間イベントなどにも積極的に出展していく。

取材・文/齋藤 麻紀子

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