震災直後の3月14日から物資のマッチングに奔走。だが、個人で動くには限界があることを痛感し、4月1日にNPOを立ち上げた。
物資のニーズが一段落した後は、地元の農業者と協力し、ゴーヤの苗を広める「緑のカーテン」プロジェクトを展開。さらに外遊びができない子どものために、放射線量の少ない地域へ親子で出かける遠足などを企画・実施してきた。
草野さんは、昨年「秋の遠足」のとき、3時間飽きることなくトランポリンをし続ける子どもたちを見て「そんなに外で遊ぶことに飢えていたのか」と愕然としたという。
「子どもたちは毎日、『お外はバイキンいっぱいあるからダメだよ』と言われて暮らしています。原発事故は、子どもがのびのび育つ環境を奪ってしまった。子どもの未来のため、南相馬のために、責任ある地域の大人として、できることは何かを考えていきたい」。
現在、子ども支援を中心に、地域おこし、IT関連を加えた3つの活動を柱に据える。事業内容にはメンバーの得意分野が活かされており、例えばITを駆使して、小学校の通学路の放射線マップを作成したこともそのひとつ。メンバーは放射線取扱主任者の資格も取得したという。
放射線の問題や生活の再建、がれき処理など、復興への課題は多い。しかし、「いつまでも支援頼みではいられない。自分たちで歩き出すための基盤をつくることが大事」と草野さん。その役割を担うのが、フロンティア南相馬だと考えている。
【ホームページ】http://www.frontier-minamisoma.org/
取材・文/ふくしま連携復興センター・遠藤 惠
Tweet