関わる全ての人を幸せに
「群生する鹿の角を使い、漁師を支えてきた女性達と何かできないか?集まって楽しく仕事する場を作れないか?」宮城県石巻市、牡鹿半島で活動するつむぎやのメンバーがそう考えていた頃に、猟友会会長や、鯨の牙の加工に長けた元捕鯨船乗組員に出会い、材料の調達と技術習得の基盤ができた。だが、試作品はどこかで見たようなモノだった。「これではない。復興の文脈を超えて、人々に喜んでもらえるものが作りたい」。そして、東京の課題解決型デザイン事務所NOSIGNERと出会う。角を磨き、漁網の補修糸を使い、祈りを込めた今のデザインが生まれた。
3月末時点で約500個が売れているが、販売のための営業はほとんどしていない。趣旨に賛同した店が口コミなどで販売を申し出てくれている。1つ売れると1000円が作り手に渡り、200円が女性たちが集まる時のお茶会費や運営費としてストックされる。
いい夢を運ぶとされるドリームキャッチャー。その名を冠したネックレスが、関わる人全てに前向きな希望を届けている。
■Deer Horn Dream Catcherネックレス 2800円/つむぎや http://www.ocica.jp/
取材・文/谷口 悠佑子
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