復興庁は11日、3月31日までの震災関連死者数を1632人と発表した。被災3県の内訳は、福島県761人、宮城県636人、岩手県193人。市町村別では、福島県南相馬市の282人が最多だった。
震災関連死は、復興庁によって、震災による負傷の悪化等で死亡し、災害弔慰金の支給対象となった者と定義されている。例えば、避難生活による持病の悪化や、強いストレスによる心不全などで死亡した場合が相当する。しかし、関連死の判断は自治体や市町村に委ねられており、自殺者を含めるか等、認定をめぐる議論もあるのが実情だ。
平野復興相は記者会見で、今回発表されたデータに基づき震災関連死の原因の分析を網羅的に行うと述べたが、一方で、演繹的に自明な原因もある。年齢別のデータによると、約9割にあたる1460人が66歳以上の高齢者であった。1995年の阪神・淡路大震災や2004年の新潟県中越地震における災害関連死に関するデータから、避難生活によるストレスや疲労が高齢者の健康状態に影響して亡くなったケースが多いと推察される。
原発事故による長期避難者を多く抱え、関連死者数が最多だった福島県では、被災者の心の問題の予防と早期発見を目指す「ふくしま心のケアセンター」が県内7ヶ所に設置されるなど、心のケアの拠点整備も進んでいる。他県でも同様の取り組みが行われており、原因の分析と並行して震災関連死者数の増加を食い止める施策の実行が急がれる。
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