復興のきら星vol.5 住民を癒すヒーリングドッグ

ラムズくん(9)
南三陸町戸倉地区 応急仮設住宅 番犬兼アイドル

ラムズくん宮城県南三陸町戸倉地区に、愛らしい顔をした真っ白な犬がいる。名前はラムズ。山岳救助犬として活躍する犬種、グレートピレニーズの雄で、チャンピオン犬を両親に持つ血統証付きのお坊っちゃまだ。以前は室内犬として可愛がられていたが、津波で家を失い、避難所に設けられた室外の犬小屋で暮らすようになった。

すぐに持ち前の人懐っこさで人々の心を癒す存在となり、「ラムズを知らずば、戸倉ではモグリだ」とボランティアの間で言われるまでになった。

代わる代わる散歩

のお供をするようになると、お年寄りたちに大変に喜ばれた。綱を強く引くこともなく、杖を突く歩みにあわせ45㎏の大きな身体を寄り添わせるようにゆっくり進んだ。9歳のラムズは大型犬では老齢期で、しかも本来暑さに弱い犬種だ。しかし嫌がることもなく真夏のアスファルトの上を多い時で日に10回も付き添った。そんな健気な姿に心打たれた人は数えきれない。

その後、地域に誕生したまちづくりの団体名は彼の名をとって「復興まちづくり推進力!ラムズ」に。ラムズは名誉会長に就任した。

今は高台の仮設住宅に住んでいる。これからも住民に寄り添い、皆の心を癒し笑顔にし続ける、ラムズなのでした。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です