昨年は東日本大震災の影響で中止を余儀なくされたため、2年ぶりの開催。例年雨に祟られるというジンクスを覆し、今年は開催日の2日間とも好天に恵まれ、大勢の市民で賑わった。
この祭りで踊られるのが「仙臺すずめ踊り」。はね踊る姿が餌をついばむ雀の姿に似ていることからすずめ踊りの名で親しまれている。
仙台のすずめ踊りは、慶長8年(1603年)、仙台城移徒式(新築移転の儀式)の宴席で、泉州・堺(現在の大阪府堺市)から来ていた石工たちが、即興で披露した踊りに始まるといわれ、その踊りの手順は、葛飾北斎の『北斎漫画』の中にも描かれているという。
現代の踊りは、手に扇子を持ち、笛・鉦・太鼓などの2拍子の伴奏に乗って、ぴょんぴょん跳ねるような動きが基本で、それを自由にアレンジして踊ることができる。衣装は、鯉口シャツにハッピ、足元は足袋か雪駄が定番。
仙台では、すずめ踊りを踊るグループを祭連(まづら)と呼んでいるが、その数は100を超えていて、子どもから大人まで年々踊り手も増え、市民参加型の踊りとして広がっている。
仙臺すずめ踊りは、今や杜の都を代表する郷土芸能として、青葉まつりをはじめとする様々な催しで披露されており、震災後は被災地で催される祭りやイベント等に祭連たちが登場する機会も増えた。また、仮設住宅の住民らが集ってすずめ踊りに挑戦し、互いに親交を深めているところもあるなど、各地に踊りの輪も。
「すずめ」たちが笑顔で舞い踊る姿は、震災を跳ね除けようという強い意気込みの現れであり、復興に向けての活力につながっている。
(文/市民ライターグループ「おかきプラス」葛西淳子)
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