東日本大震災事業者再生支援機構法
被災地復興への大きな課題の一つとして問題視されているのが、事業主の二重ローン問題。震災前に事業を営み従業員を雇用していたような事業主は、被災による被害が実は一番深刻とも言われている。経営者は雇用されていないため失業保険がおりないうえ、店舗などを賃貸契約していた場合、損壊などへの保障も受け取れない。さらに、もともと銀行などの金融機関から借金を負っていることが多い経営者は、再起を決意しようにも、新規の借り入れによって震災前・震災後の二重ローンを抱えることになってしまう。それが事業主の再起の障害になっているとの指摘が多い。
昨年11月の参議院本会議では、この二重ローン問題の解決のために「東日本大震災事業者再生支援機構」を設立し、政府保証枠として5千億円が盛り込まれることが閣議決定した。
支援機構は本年3月11日までに設立され、支援基準や債券の買収価格の算定方法なども設立日までに発表される予定だ。震災後既に新規融資を受けている事業主も対象になる。支援期間は最長15年間で、その間、債務処理やつなぎ融資、新規事業へのアドバイス等の支援が受けられる。
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