6月21日、衆議院本会議で、原子力事による子供・被災者支援法が全会一致で可決、成立した。
同法律では、原子力災害において、原子力政策を推進して来た国に社会的責任があると規定。一定の線量以上の放射線被ばくが予想される「支援対象地域」からの避難、居住、帰還といった選択を、被災者自らが行えるよう国が支援しなければならないと定めた。「避難の権利」が法的に規定されるのは初めて。
また、支援対象となる子どもや妊婦に対しては、一生涯にわたる健康診断の実施や医療費を減免する規定も盛り込まれた。
同法律は、昨年より与野党それぞれで議論が開始され、今年になり協議を重ね内容が一本化された超党派の議員立法となった。法案成立に向けては多くの市民団体、弁護士ネットワークが署名活動などで協力した。
今後は、同法案に規定のない支援対象地域の具体的範囲の設定や、個別施策の実施が求められている。「福島の子どもたちを守る法律家ネットワーク(SAFLAN)」や「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などの団体は、放射線被ばく年間1ミリシーベルト以上の地域を支援対象地域とするよう共同声明を発表している。
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