原発事故に伴う警戒区域・計画的避難区域が4月16日に解除され、福島県南相馬市では避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の3区域に再編された。
新たに避難指示解除準備区域となった同市小高区には、行政関係者、事業者、住民らが事業や生活を再開しようと徐々に戻り始めた。しかし、震災以来手つかずだった町は環境として大変に厳しく、さらに電話・水道などインフラ面の復旧の遅れもあり、住民は苦労を強いられている。営業を再開できた店舗もごくわずかだ。
そのような中、復興庁からの要請を受け、(株)ファミリーマートが、6月27日、小高区で移動コンビニの営業を開始した。場所は、津波被害のため休業していたファミリーマート南相馬小高店の駐車場で、営業時間は毎週水・金曜日の11時から14時まで。2トン車タイプの「ファミマ号」は、食品や日用雑貨、計約200種類の商品を揃える。
生活基盤がなければ住民は戻れない、住民が戻らなければ事業・サービスは再開できない。このような、避難指定解除の街が抱えるジレンマを、実質的にも気分的にも払拭してくれそうな、移動コンビニカー。地域の復旧・再建に果たす役割は大きいのではないだろうか。
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