編集後記vol.14

この夏、とんでもない青年と出会った。松嶺貴幸、盛岡市在住の26歳。高校生の時、フリースタイルスキーの練習中に転倒し、脊椎を損傷。肩から下が動かず、電動車椅子を肩の筋肉でコントロールして生活している。何でも食べるし、よく喋るし、酒も飲むが、自身の体温調整は上手くできない。そんな彼は絵を描き、ウェブのデザインをしている。これが、信じられないくらい良く出来ている。

素人目に、障害を持ってるのに上手いね、と言っているのではない。十年以上、制作の現場で見て来た、あっ、この人すごい、と思うクリエイターのレベルと同等に、その作品が素晴らしいのだ。とても口にスティックを咥えて描いたとは思えない。本当の、ホンモノだ。

彼が絵を描くようになったのは、障害を持ってから。恐らく、怪我がなければ、今のように絵を描くことは無かっただろう。四肢麻痺という試練が、彼の才能を開かせた。怪我は多くを奪い、新しい気付きを与えた。

東北で、新しい人生を歩もうとしている方々にお会いする機会が多い。今までの生活が失われ、初めての仕事にチャレンジする人、また今までの価値観を捨て東北へ移り住む人もいる。すべての挑戦は美しく尊い。自分もそうでありたいと、改めて思いを強くした。(T)

1件のコメント

  1. 畠山美由紀 返信

    世の中には!スゴイ人がたくさんいます!
    私も松嶺さんには言葉がなかなか出ません!
    すべてが!すごい!(@_@)としか出ないかな?
    障害者が活躍するニュースが!私を強くしてくれます!(>_<)

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