復興のきら星vol.8 人びとの温かい心が一番の原動力

大久保 玲子さん
公益財団法人 三菱商事復興支援財団

公益財団法人 三菱商事復興支援財団 大久保 玲子さん三菱商事が3月に立ち上げた三菱商事復興支援財団。地元金融機関などと協力し、被災地の事業者を資金面でサポートする。財団の現地最前線担当として気仙沼に常駐しているのが、大久保さんだ。気仙沼を拠点に、岩手・宮城・福島3県を駆け巡る。

「被災地の産業復興は始まったばかり」と大久保さんは言う。計画は整ってきたが、「これからどう実行しよう」というステージ。公的補助がベースを支えるとして、復興へ向け民間ができる支援は少なくない。例えば、女性やシニアへの新たな雇用創出。先日、財団の出資第一号案件に、陸前高田のキャピタルホテル1000の再建事業支援が決まった。同ホテルは、地元女性を中心に採用し、きめ細かい接遇ができるホテル経営を目指している。「多くの事業者が悩んでいることを実感している。課題は多いけれど、だからこそ、現地に身を置き目線を合わせて活動していきたい」。穏やかな口調ながら、その眼差しは力強い。

さまざまな出会いに、励まされることも多いと言う。賃貸住宅がなかなか見つからないでいると、仮設住宅に住む女性が「いつでも泊まりに来て」と連絡先をくれた。「風土なんでしょうか。自分のことよりも他人を思いやる温かい気持ちが身に沁みています」。自身の進む原動力をそう語ってくれた。大久保さんは、被災地の人々のため、次なる出会いへ今日も奔走する。

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