【Leaders Interview】宮古ひまわり基金法律事務所 小口弁護士

インタビュー先:小口 幸人さん
宮古ひまわり基金法律事務所
制度説明動画URL:http://youtu.be/7B_wuQMwIbo

Q.被災ローン減免制度の普及に尽力されています

宮古ひまわり基金法律事務所 小口 幸人さん

宮古ひまわり基金法律事務所 小口 幸人さん

震災当時、宮古市内の法律事務所で執務していた私は、震災の一週間後から避難所を訪ねて法律相談を実施しました。一番辛かったのは「家が流れてもローンはなくならない」と伝えなくてはならなかったこと。これが私の出発点です。

 

以来、ローンを減免する制度の提案から、制度の運用開始後は運用面の改善や周知と様々な場面において被災地目線で活動してきました。

Q.同制度の利用が低調な原因をどう見ますか?

まず運用当初は、仮設住宅在住者の制度利用に制限があったり、手元に残せる現預金の額が不明確だったりと、運用面の課題が多数ありました。「使える」制度にするために時間がかかったのです。

その後も利用が進まない原因は被災者への周知不足です。特に金融機関による説明が不足していることが大きな問題です。震災後1年間で少なくとも、5000名を越える被災者が住宅ローンの条件変更契約を金融機関と締結しています。この制度により減免を受けられる被災者の方が、それを知らされずにローンの返済を続けているケースが数多く見られます。金融機関は社会的責任を果たさなかったと言うしかないでしょう。

今年の7月には、現状を問題視した金融庁から金融機関に通知もされています。金融機関はさかのぼってでも、ローン減免制度の周知を徹底するべきです。

Q.周知において重要な事はなんでしょう?

こうした制度は非常に複雑な部分も多く、いかに伝えるかがポイントになります。例えば、この制度の正式名称は「個人版私的整理ガイドライン」ですが、これでは被災者には何も伝わりません。そこで日本弁護士連合会では、制度の通称名を「被災ローン減免制度」としました。

同様に分かり易さの追求として、制度の紹介動画を作成しました。この動画は仕組みを15分程度で説明するもので、県境を越えて復興局主催の説明会や自治体の説明会でも利用頂いています。同様に、被災者を直接支援する活動をしているNPOなどの団体の方にも利用して頂きたいです。

すでにローンの支払い猶予を受けたり条件変更契約をしていても、遅くはありません。少しでも早く利用すれば減免額が多くなる可能性が高いですし、ローンの問題を解決しないと高台移転等へ支障をきたす場合もあります。動画が1人でも多くの人の目にふれ、被災者の方々の生活再建につながることを願っています。

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