大きく広がる空の青
「日本の伝統工芸を元気にする!」とのビジョンを掲げる奈良の中川政七商店と、福島の刺し子織りの三和織物が出会ったのは数年前。「ミュージアムショップで見つけた、とても魅力的な生地が刺し子織りでした。三和織物さんに直接お手紙を書いたことが始まりです」と中川政七商店の杉浦さん。それから、多くの商品を共に生み出してきた。
布地に補強や保湿効果を与えるために糸で刺し縫いを施す、東北で盛んだった「刺し子」。それを機械織りに応用した「刺し子織り」は、生地に模様を刺しながら織っていくので、とても手間暇がかかる技法だ。三和織物は被災し一時工房を離れたが、今は戻り「仕事ができることが嬉しい」と意欲的に仕事を再開している。
そんな中、中川政七商店が始めた、売上げの一部で被災地に桜の木を植える「春をとどけようプロジェクト」に参加した。三和織物が織り上げたのは、空色の生地。青空と白い雲を連想させる布地には、「広がる空を見上げることで、大切な人たちとのつながりを感じられるように」との両社の願いが込められている。
空色刺し子織りスリッパ3500円(税抜)/中川政七商店
問い合わせhttp://www.yu-nakagawa.co.jp/
取材・文/谷口 悠佑子
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[…] ●掲載ページ http://www.rise-tohoku.jp/?p=3349 […]