「オープンはしたものの、部屋の使い方や、新しく導入した機械の動かし方など、覚える事や微調整がまだまだ残っている。慣れるまでは大変」と、酔仙酒造の金野泰明さんはオープン後の今を語る。とはいえ、従業員が陸前高田や大船渡から内陸まで車に乗り合わせて通っていた頃と比較すれば、仕事場はぐっと身近になった。
酔仙ではまず、自慢「雪っこ」の仕込みを開始、今年10月の出荷を目指す。10月以降は、震災前の7割程度の品目にはなるが、「雪っこ」以外のお酒の仕込みにも着手する予定だ。
新蔵は大船渡に完成したが、今後は地元、陸前高田への復帰も目指している。事務所や倉庫等は陸前高田市内に設置し、今まで通り「陸前高田市の酔仙酒造」として操業を続けていく方針だという。
金野さんは、「本当にこの1年半近くは、あっという間だった。多くの方のご支援をいただき、誰が見ても立派な工場ができた。この新しい立派な蔵に恥じないように、またお世話になった人に感謝の気持ちを伝えられるようにやっていきたい」と静かにこれからの決意を語った。
新しい蔵で生まれた酔仙のお酒を楽しめる日を、心待ちにしたい。
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