木村商店　いか徳利
>http://tokkuri.co.jp/

　刺身、一夜干し、そうめん、てんぷら、リング、塩辛、そしてスルメ・・・。これまで幾度となく、大抵はお酒の席において、その姿・形を変えいつも私を楽しませてくれた「イカ」。そんな旧知のイカが徳利としても活躍をしているのを知り、改めて魅力を感じたのはつい先日のことだ。まさに噛めば噛むほど味の出る食べ物である。

　真イカの胴を天日乾燥させた木村商店の「いか徳利」は、岩手では古くから通な地元の方々に愛されてきた。熱燗から「いか徳利」に移し替えられた日本酒は、10分ほどでよりマイルドな味わいとなり一層酔わせ上手になる。セクシーなくびれからトクトク音を響かせ、お猪口に注がれるのを眺めているだけで、ウットリと酔いが回ってしまうから要注意だ。さらに最後は徳利自身を食べることができる。日本酒の染みたイカを肴に、イカの効いた日本酒を愛でる。これぞ日本酒飲みこなしの上級者だろう。

　この他「三陸のお母ちゃんの味」を目指す同社のサイトには、黒潮と親潮が出会う三陸山田の前浜で採れた新鮮な食材を使った商品が並ぶ。いか徳利に加え、甘酢漬や干物等、一手間かかったこだわりのおつまみを300円～500円程度から選べるのが嬉しい。

　もうすぐ美しい桜を眺めながら日本酒を楽しめるイベントがやってくる。みんなが集まるパーティーで、ちょっと気の効いた手土産を持参するのはモテる男の秘訣。今年の花見は「いか徳利」でヒーローになろうと密かに企んでいる。（K）

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