【Leaders Interview】トライポッドワークス(株) 佐々木社長

インタビュー先:佐々木 賢一さん
トライポッドワークス株式会社 代表取締役社長
震災復興支援プロジェクト「ITで日本を元気に!」代表

東北から全国のモデルとなる先進的な取組みを

Q. 支援活動の継続にあたり、どのようなことを意識していますか?

トライポッドワークス(株) 佐々木 賢一社長

トライポッドワークス(株) 佐々木 賢一社長

 昨年以降、東北では起業や新たなチャレンジをする人が少しずつですが増えてきています。震災という大変な経験を経て、人生を見つめ直している人が多いように感じます。一方、まだ一つひとつの力は弱い。その流れを持続させるためには、成功事例をつくりヒーローを生み出していく必要があるでしょう。支援者の重要な役割は、そのために盛り上げることや、ハブとして外部とつなぐことだと思います。

Q. 具体的にどのような活動がありますか?

 少し前になりますが3月に行ったイベントは大盛況でした。「東北は変わったのか?変われるのか?」と題して、震災からの復興に限らず東北としての経済活性化などをテーマにしたもの。スタートアップ企業を中心とした東北企業のショートプレゼンも好評でした。うち2社は震災後に起業した会社でしたが、こういうプレイヤーたちをもっと盛り上げていきたいです。

 また、過疎地域の活性化の優良事例として知られる徳島県神山町との連携も進めています。神山はサテライトオフィスの誘致で注目を集めましたが、それ以外にも多くの先進的な取り組みを進めてきた結果、今がある。そしてその中心にはシンボルとなるようなリーダーがいる。やはり人なんですよね。今度、南三陸の事業者と神山町を訪れる予定を組んでいますが、個別具体のノウハウだけにとどまらず、そうしたリーダーと触れあいから、学び、刺激を受けてもらいたいと考えています。

Q. 今後の取組みを教えてください

 仙台を拠点にIT企業を経営する身として、経済面での復興に貢献していきたいです。仙台は地域の中核都市としてさまざまな役割を負っていますが、復興においてもっと存在感を出していくべきだと思います。東北は日本全体の17%の面積がありながら、人口では10%、経済規模(GDP)でも6%程度。IT産業にいたっては売上規模が2%以下です。仕事を出す企業が少なく、大都市圏からの仕事の請け負いが中心の産業構造なのです。これを打破して地域活性や雇用創出につなげたい。

 仙台にはチャンスが多いのです。東北大学など優秀な学生が多く、地域に強力な競合も少ないので優秀な人材確保がしやすい。また良い意味でコンパクトなので行政やメディアとの距離が近く、規模が大きい東京と比べてさまざまなリソースを活用しやすい環境にあります。東京へも1時間半で行けるようになりました。仙台でものづくりを行いつつ東京に営業拠点といったモデルも組めるでしょう。

 少しずつ芽は出てきていますが、仙台はもっと起業のポテンシャルがあると思います。こうした環境を発信するとともに、直接支援を含めて分かりやすい成功事例を生み出していきたい。仙台が東北アントレプレナーシップ(起業精神)の町になればと思っています。

【トライポッドワークス(株) 佐々木 賢一社長プロフィール】
仙台と東京を拠点にIT企業を経営するかたわら、震災後はPC設置等のIT化支援や現地企業のマーケティング支援を中心に活動している。

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