復興庁14年度予算概算要求2・7兆円 ソフト事業の推進へ向けて民間から提案を

復興庁が発表した2014年度予算の概算要求は約2・7兆円となった。今年度予算と比較すると、がれき処理が大きく減少する一方で、防潮堤や復興道路等の災害復旧や復興道路整備や農林水産基盤などの公共事業が増加。<!–more–>多くは元々あったものの復旧の側面が強いがインフラ系を中心とした復興まちづくりへの重点シフトが見られる。一方ソフト面の事業は仮設住宅の見守りや奨学金など従来からあるものは計上されているが、新しくは「新しい東北」先導モデル事業の16億円に集約された形だ。

自治体に交付される東日本大震災交付金には、引き続き5000億円を超える予算が充てられた。規模からしても、これからの復興の主体は各自治体になっていくことは明白だ。交付金はその2割まで「効果促進事業費」として使うことが認められ、ソフト面の事業に使える予算としては圧倒的に規模が大きい。

しかし未消化となる自治体も多く、先進的な活用事例の話を聞くことは少ない。復興計画ではどの自治体もハードだけに留まらないソフト施策の重要性をうたいながらも、結局消化される予算はハードに偏っているのが現状といえるだろう。膨大な復興業務を抱え、各自治体のマンパワーが不足していることも背景にある。

ここを打開する鍵は、民間からの提案力にあると考える。行政はカタい、動きが遅いと批判する声はよく耳にするが「どのようにしたら行政との協働ができるのか」という視点で捉えるべきだろう。まずは復興計画をじっくり読み込み、役場のロジックや進め方を理解する。自身のやりたいことを提案するのではなく、復興計画にある目指す姿の実現へ向けた具体的なビジョンや施策を把握することで、自治体と民間の協働の道が開けていくように思う。

復興予算は財源確保された25兆円のうち昨年までで21兆円ほどが既に消化されている。ハード整備だけでは各自治体の目指す町の姿は実現できない。予算が残り少ないのは事実だが、民間からの提案を加速させ、必要なソフト施策が推進されていくことが必要だろう。

2014年度予算復興庁予算概算要求額

〔文/RCF復興支援チーム・藤沢烈〕

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