伊江島での経験から得た観光・商品開発のポイントとは?
東北でも、観光や商品開発で差別化が図りにくい現状がある。松本さんに、経験から学んだことを聞いた。
(1)オリジナル商品で土地の名前を知ってもらう
「多くの新商品を作りましたが、よくある箱詰め菓子など、形だけ変えた真似事商品は売れないと学びました。熱意を込められるものかが大事だと。イエソーダは、『言えそうだ』にかけて普段口に出しにくい感謝や応援、愛の告白などを言えてしまうかも、というコンセプトでヒットしました。島の知名度向上をにもつながったと思います」。
(2)ファンを掴む質の高さと販路への柔軟性
「05年、東京の沖縄フェアに特産のピーナツなどを大量に出荷してまったく売れず、ただ都会の百貨店に出せば売れる訳ではないと痛感しました。大量生産できない島の商品は価格競争力が弱いため、高品質な商品づくりにシフトしました。中でもラムは本場でも通用する質を目指し、販路開拓はラム愛好家の組織に協力を仰ぐことから着手。結果、コアな顧客を持つ専門店や飲食店に入れていただくことができました。商品のファンになり、売りたいと思ってくれる人を掴めるかは、結局品質。悩み抜いて開発した甲斐がありましたね」。
(3)観光業は、適正サイズを考える
「観光客は増えれば良いわけではありません。適正値を越えると、本来観光客が求める島そのものの雰囲気が壊れてしまう危険性も。特に民泊は、受け入れがこれ以上増えると島民に疲弊感や商売根性が生まれて、生徒たちを感動させられなくなってしまうかもしれません。島のPRができて雇用を安定させられれば良いという、一つのラインを引いて考えるようにしています」。
島外から来て、きっと苦労も多かったであろう松本さん。しかし終始楽しそうで、次のアイデアにワクワクしている姿が印象的だった。素朴で美しい島に、その笑顔がとても馴染んでいた。
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