14年度復興予算3.6兆円 13年度補正予算とあわせ4.2兆円

来年度の予算案が閣議決定した。95.8兆円と過去最大規模の一般会計となる中で、復興予算にあたる復興特別会計には3.6兆円が計上された。先に公表された今年度補正予算の5千6百億円とあわせ、まちづくりや福島再生を加速する。

インフラ整備を中心にまちづくり事業を加速

3.6兆円のうち、その多くはこれから本格化する住宅再建へ向けた復興まちづくり(1.3兆円)、そして除染や長期避難者対策を含めた福島の再生(6千600億円)に充てられた。

まちづくりでは、福島の一部を除きほぼ完了したがれき処理の予算が今年度1千266億円から236億円と大幅に削減される中、防潮堤や農地の復旧などのインフラ整備へ予算が充てられた。一方、各地で防潮堤については計画見直しのための住民運動が活発化している。予算執行期限を含めた見直しに国や行政側でも柔軟な姿勢を示しており、今後の住民合意と事業推進の動向が注目されている。

今年度予算を上回る予算が計上されたのは、復興道路関連や防災関連の事業。それぞれ1千7百億円と763億円となり、中でも総務省が「復興のリーディングプロジェクト」と位置づけ、青森から福島までの沿岸4県をつなぐ三陸沿岸道路への期待は大きい。

福島は新交付金、福祉人材確保、中高一貫校支援策を重ねる

福島の再生に充てられた予算は、今年度補正予算をあわせると今年度当初予算を超える8千300億円となった。「福島再生加速交付金」が新設され、今まで個別に実施していた長期避難者向け対策や子供の運動機会確保、公共設備修繕などの事業を一括化しより柔軟な対応を目指す。

8月に県内の区域見直しが完了し、除染廃棄物の中間貯蔵施設の建設候補地への受け入れ要請も始まった。一方、住民意向調査結果では市町村間での差は大きいながらも長期化する避難生活の中で帰還意向は低下しており10%を切る所もある。政府は復興政策における柱として「健康・生活支援」を新たに打ち出しており、福島県相双地区における福祉・介護人材の確保へ向けた事業(2億円)も行われる。

その他新たな事業として、福島県双葉郡中高一貫校の設置に係る支援として3億円を計上。中高一貫校は7月に8町村の教育長がまとめた「教育復興ビジョン」に記載されたもので、福島から新しい教育モデルを創造することを目指した意欲的なものだ。

復興予算一覧

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