福島県で「ふくしま復興応援隊」の運用が始まった。これは被災した自治体が国費で人材の確保、活用ができる復興支援員制度を活用したもの。
支援員は幅広い業務に携わることができ、自治体が委嘱する形で民間団体での勤務も可能で、契約期間も最長5年と柔軟性が高いことが特徴だ。マンパワー不足解消へ向けた重要施策として、すでに岩手県や宮城県と一部の市町村で導入されていた。
被災3県においてこれまでに派遣された支援員の数は120を超える。実施業務は特産品開発や祭り・イベント開催などの地域活性化支援、仮設住宅における見守りや自治会組織の基盤強化などのコミュニティ支援、情報メディアや復興マップ作成などの広報力強化や、観光・産業振興など多岐に渡る。
福島県でも浪江町と双葉町が県に先駆けて活用を進めていたが、すべての市町が独自に行うことは難しく、今回の県としての制度導入へとつながった形だ。
これまでの実績を見ても、復興支援員の効果的な活用のためには、マネジメントが欠かせない。復興事業は変化のスピードが速い。コミュニティ支援一つとっても、仮設住宅から復興住宅へと住居が変われば求められる業務も変わっていく。それぞれの復興支援員に対し適切に目標設定やケアを行い、支援員がより活躍できる環境をつくっていく必要がある。また市町村の求めに応じて、復興支援員とマネジメントのアドバイス機能を担っていくとの事だ。こうした今後の各市町村での復興支援員のあり方の変化も予想される中で、福島県の取り組みに注目して頂きたい。
現在募集している復興支援員は相馬市、新地町、川内村の3市町村計8名。それぞれ観光協会、地域活性化のためのNPO法人、産業振興のための商工会のポジションだ。これに加え、ふくしま連携復興センターを勤務先として、各地の復興支援員の後方サポートを行う復興支援「専門員」も3名募集されている。
2014年1月17日には東京で募集説明会も予定されており、その成果に期待したい。
(文/RCF復興支援チーム・藤沢烈)
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