明日への希望をこめたひと針
大槌復興刺し子プロジェクト
岩手県大槌町の女性156人が手作りしている、『大槌かもめふきん』。発売以来、4436枚、約391万円を売り上げている。
復興支援で現地入りしていた吉野和也さんが、することがない大槌の女性たちを目の当たりにしたのがきっかけだった。 「やるべきこと」を作ろうと、現地の女性たちと意見交換をし、針と糸があれば誰でもできる「刺し子」でふきんを作ることに決定。『大槌復興刺し子プロジェクト』が立ち上がった。
「『同情』ではなく『品質』で買ってもらう」ために、東京のデザイナーに依頼し、町の鳥かもめをモチーフにした絵柄が完成。思いが伝わるホームページもできた。刺し子専門店特製の糸を採用、「刺し子」の技術も毎週の講習会で伸ばし、体制が整った。大槌刺し子は、県外での物産展などでも人気を博している。
「働くことは、被災者の方に『自尊心』や『誇り』を呼び起こします。大槌刺し子が産業として根付くことを目指しています」と吉野さんは語る。
■かもめふきん1200円(うち500円が刺し子さんの収入に)/大槌復興刺し子プロジェクト http://osp2011.web.fc2.com/
取材・文/谷口悠佑子
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